最近、オリバー・バークマン著「限りある時間の使い方」を再度、一から読み直してみました。
本は一度読んだら、何だかわかった気になることも多いですが、人間は良くも悪くも忘れていく生き物。本当に良い本は、仕事デスクなどにおいて何度でも読んだ方がいいですね。
何かの本かネット記事で(これ自体を忘れているのが、人間という生き物を体現していますね笑)、「経営者は同じ本を机に置いて、何度も読む。同じ本を100回読む人もいる」といった話を、目にしたことがありました。
当時は、「へー、そうなんだ」くらいにしか思っていませんでしたが、確かに同じ本でも再度読み直してみると、忘れていた気づきを得られたり、意外な発見・以前とは異なったインスピレーションを受けます。やはり、経営者や有名人が行っている一つ一つには何かヒントや意味があるのですね。
というわけで、「限りある時間の使い方」を再度読んでみて。この本が言いたいことを僕なりに簡潔にまとめると、
「人間が一生で使える時間は驚くほど短い。だから、その短さを自分ごととしてしっかりと認識し、その上で自分がやりたいことに集中すれば、人生は豊かになる」
です。
人間の時間は短い。僕も今年で35歳、残りの人生がどこまであるのかわからないけれど、現在、ガンで闘病中の義父は65歳なので、僕がもし彼と同じ人生を辿るとしたら、残り30年です。
*この記事を執筆した数ヶ月後、義父は亡くなりました。
これを長いと取るかどうかは、人それぞれと言えばそうなのかもしれませんが、その中からあまりやりたくないけどやらなければならないことを差し引いていくと、実際に心からやりたいと思えることに費やせる時間はどれくらいあるのでしょうか?半分の15年?1/3の10年?そう考えると、なかなかに恐ろしいと思いませんか?
初めてこの本を読み終えて、人生の短さ・時間の大切さは認識したつもりでいましたが、やはり日々の生活の中でその重要性に対する意識は薄れていっていました。ふとした時に、どうでもいいSNSの動画を見てしまったり、気晴らしにうろうろしてみたり。それ全てが無駄だというわけではないのですが、後で振り返ると、それらは少なくとも時間を大切だと思った人が取る行動ではない、と思ってしまう場面が多々にあるのも事実です。
この本では、己に残された時間の短さを真正面から受け止めろ、と書かれています。さらにその時間は自分ではコントロールできないものも多く、常に外部の要因によって予定は乱されてしまうとも書かれています。その通りですね。
だから、綿密な予定を立ててそれを完璧に遂行しようとしても、結局完璧にこなし続けることは不可能だし、その不可能であることを直視したくないから、SNSや気晴らしといった目先の楽しそうなものに飛びついてしまうのが人間だそうです。とても思い当たります…笑
だから、時間が有限であることはもちろん、コントロールできないものであるという不安感を直視し、それから目を逸らさず、やるべきことに焦点を絞ることが重要だというのが著者の主張でした。僕も当時はなるほど、と読んだのでしょうが、すっかりこのあたりの認識が頭から抜け落ちていました。
今僕は、新人の旅小説のコンテストに向けて、執筆活動を進めています。他にも動画編集などやりたいことはたくさんありますが、やはり全てを完璧にこなすことはできていません。でも、以前に比べて「その時間が少ないという現実」から目を逸らさずに、今やるべきこと・やりたいことに取り組めるようになりました。
*ちなみに本はその後1冊書き上げ、コンテストに応募したものの、敢えなく1次選考で落選してしまいました。しかし、非常にいい経験になったと思っています。少なくとも時間を無駄にしたとは感じていません。
皆さんも限りあるそれぞれの時間を、有意義に過ごしましょう。と、書くのは簡単ですが、実際に行動に移すのはそう簡単ではありません。まずは、「有意義」とは自分にとってどういうことか?ということを今一度、自問自答してみる必要があると思います。
ここで、考えることをサポートしてくれる有名な問いとして、「自分が死ぬ直前、どんなことを思い出して死んでいきたいか?」というのがあります。死ぬ直前に「ああ、こんなことして良かったな」とか「こんな生き方ができて、自分はいい人生だったな」と思えることを、実生活に落とし込むというやり方です。
これは自身の有意義なことを考えるにあたって、大きな指針になってくれます。
ちなみに僕の場合は、「自分が好きな釣りを思う存分楽しんで、さらに沢山の人にもその楽しさをシェアして喜んでもらう」「自分の大切な人との時間をたっぷりと過ごす」です。
残された時間も、やりたいことも人それぞれです。この本については語りたい内容が山ほどありますが、全て書くと長くなるので今日はこれくらいにしておきます。
まだ読んだことのない方は、ぜひ一度読んで見ることをおすすめします。必ず気づきが得られる素晴らしい本だと思います。僕も1軍本棚に殿堂入りです。そして、最近英語版も購入しました。英語学習も兼ねて、さらに読み返しています。